Yyatmita

重曹でパスタが中華麺になる——アルカリ性とグルテンの科学

重曹を入れたお湯でたんぱくパスタを茹でると中華麺っぽくなった。なぜそうなるのか、ChatGPTに聞いたら化学の授業みたいな話が始まった。

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重曹で黄色くなった麺を持ち上げて驚く

試してみたら本当になった

ある日、SNSで「重曹を入れたお湯でパスタを茹でると中華麺になる」という投稿を見た。

半信半疑で試してみた。

お湯1Lに重曹小さじ1を入れて、たんぱくパスタを茹でる。それだけ。

茹で上がった麺を取り出して、水で洗って食べてみると——

(……本当だ。弾力が違う。それに、なんか黄色っぽい)

ラーメンと言われれば信じる食感だった。同じパスタなのに。

これはなぜなのか。気になって、にんにくとトマトの科学を教えてくれたChatGPTにまた聞いてみた。


重曹がアルカリ性になる理由

「重曹ってなんですか、改めて」

「炭酸水素ナトリウムという名前の物質です。重炭酸ナトリウムとも呼ばれます」とChatGPTが言う。「これをお湯に溶かすとアルカリ性になります——pHが上がります」

(pH、あの酸性とかアルカリ性とかの)

「お湯は普通、pH7の中性ですよね。それが上がる?」

「溶かすと弱アルカリ性、だいたいpH8〜9くらいになります。お湯が熱いほど反応が進んで、アルカリ性が少し強くなります」

アルカリ性のお湯でパスタを茹でる。それが何かを変える。


グルテンとpHの関係

「アルカリ性だと麺の何が変わるんですか?」

「パスタはグルテンというたんぱく質でできています」とChatGPTが説明する。「通常のpH(中性)では、グルテンの網目構造はある程度自由に動けます。アルカリ性にすると、このグルテンのアミノ酸の電荷状態が変化して、網目がより密に絡み合うようになります」

(グルテンの網目が密になる? それが弾力に?)

「そうです。ツルッとした表面と、もちもちとした弾力——この変化がアルカリ性環境で起きます」

「それが中華麺の食感ってこと?」

「そうです。中華麺には伝統的にかんすいという添加物が使われています。かんすいは炭酸カリウムと炭酸ナトリウムの混合物で、アルカリ性が強め——重曹より強い。でも原理は同じです。アルカリ性がグルテンに作用する」

(かんすいが中華麺の正体だったのか。ラーメン屋のあの弾力は科学的な理由があった)


黄色くなる理由

「あと、色が黄色っぽくなりましたよね。なんでですか?」

「パスタの小麦粉にはフラボノイド系の色素が含まれています。中性だと無色か薄いクリーム色ですが、アルカリ性になるとこの色素が反応して黄色くなります」

「じゃあ黄色くなったら成功ってこと?」

「アルカリ性になった証拠です。色が変われば、グルテンへの作用も起きているはずです」

(食感と色、両方が変わる。同じ化学反応の結果なんだ)


洗わないと台無しになる

ここまでの話を聞いて、「へえ」で終わるつもりだった。でもChatGPTが付け加えた。

「重曹で茹でた後の洗い方は、ちゃんとやっていますか?」

「流水でサッと流してます」

「そこ、本当に大事なので聞いてください」と、いつもより少し強い言い方をした。「重曹が麺の表面に残っていると、えぐみと苦味が出ます。それと重曹特有のにおい。洗い方が甘いと、せっかくの弾力が台無しになります」

(あー、なんかそういうクセがあると思ってた。「中華麺っぽいけど後味がちょっと」みたいな感じがあった)

「洗い方を教えてください」


重曹の落とし方——2段階で確実に

「ここだけは本当に手を抜かないでください」とChatGPTが言う。

手順1: 流水でしっかり流す

茹で上がったらすぐにザルにあけて、流水でしっかり流す。ただ当てるだけじゃなくて、麺をほぐしながら表面をすすぐイメージ。30秒以上はやる。

手順2: ボウルのお湯で泳がせる

別にボウルにお湯(または水)を張っておく。流水で洗った麺をそこに入れて、軽くほぐしながら10〜15秒泳がせる。内側に残った重曹を溶かし出す工程だ。

手順3: しっかり水切り

ボウルから取り出して、しっかり水を切る。ぽたぽたと水が落ちなくなるまで。

手順4(ラーメンの場合): お湯で温度を戻す

冷製や焼きそばなら洗い上がりのままでいい。ラーメンやスープに入れる場合は、一度冷えた麺を再びお湯にくぐらせて温度を戻してから盛り付ける。冷たい麺をスープに入れるとスープが一気に冷める。

(「流水→ボウル」の2段階か。これまで流水だけで終わらせていた)

「2段階もやるんですね」

「1段階だと表面は落ちても、麺の隙間に重曹が残ることがあります。これが苦みになる。とくに重曹を使いはじめたとき『なんか違う』と感じた人の多くは、洗いが足りていないケースです」


実際にやり直してみた

その日の夜、改めて重曹ラーメンを作った。

茹で上がりをザルにあけて、水道の蛇口を全開にして30秒流す。その間、麺をほぐしながら表面をこすり洗いするイメージで動かす。

次にボウルにお湯を張って、麺を移す。箸でほぐしながら泳がせて、10秒後に引き上げる。

水切りをして、温かいスープに入れる前にもう一度お湯にくぐらせて温度を戻す。

食べてみると——後味のえぐみが消えている。

(これだ。これが「中華麺」だ)

今まで「なんかもう一歩」だったのは、洗い不足だった。弾力と色の変化は成功していたのに、洗いで台無しにしていた。


重曹の量は加減できる

「重曹の量を変えると食感が変わりますか?」

「変わります。多いほどアルカリ性が強くなるので、弾力も強くなります。ただ多すぎると苦みが出やすくなって、洗いの重要性がさらに上がります」

「目安はありますか?」

「お湯1Lに対して小さじ1が標準です。初めてなら少なめから試して、好みの食感を探してみてください」

(調整できるのか。パスタを100%ラーメン化したいときは多め、少しだけ弾力を出したいときは少なめ、みたいな使い分けもできる)

「茹で時間は変えなくていいですか?」

「パッケージ記載の茹で時間のままで大丈夫です。重曹を入れても加熱の速さは変わりません。茹ですぎるとやわらかくなって弾力が落ちるので、時間通りに引き上げてください」


3つの科学を並べると

にんにく、トマト、重曹——3つの話を聞いて、構造が見えてきた。

テーマ鍵になる仕組み大事な操作
にんにくアリイナーゼ(酵素)が80°Cで失活冷油からゆっくり加熱する
トマトリボヌクレアーゼ(酵素)が50〜60°Cで活発急激な高温を避ける
重曹アルカリ性がグルテンに作用確実に2段階で洗い落とす

にんにくとトマトは「酵素に仕事をさせる時間を確保する」話だった。重曹は仕組みが違うけど、「科学的な反応を起こした後の処理が仕上がりを左右する」という点で同じ構造だと思う。

料理は変数の管理だ——温度、pH、時間、後処理。どの変数を意識するかで仕上がりが変わる。

この3つの科学は、たんぱくパスタのレシピ全体に使える知識だ。 ペペロンチーノを作るとき、トマトソースを作るとき、重曹ラーメンを作るとき——同じ「なぜ」が台所の動きを変えてくれる。

重曹麺を気軽に試してみたいなら、素ラーメンから始めるのがおすすめです。具なし、スープと麺だけ。重曹麺の食感がダイレクトにわかります。

次は、うどんの話。 たんぱくパスタだけでなく、たんぱくうどんもある。白だしをかけるだけで食べていたけど、「なぜあれでおいしいのか」を知らなかった。めんつゆの中身を分解してみる。


免責事項: 本記事の内容は一般的な調理科学の情報に基づく参考情報です。医学的な助言ではありません。