Yyatmita

【第4回】唐揚げノートを5本並べたら、共通点が見えた

似たレシピの動画ノートを横に並べて比べる。1本では『この人のやり方』、5本並べると『唐揚げの原理』が見えてくる

Obsidianをはじめました#obsidian#comparison#cooking
← 前の記事: 【第3回】動画メモが変わった——Media Extended でタイムスタンプを残す

唐揚げノートが 5 本ある

前回、Media Extended でタイムスタンプ付きのメモを取る話をしました。「5:10」をクリックするだけで動画の目当てのシーンに飛べる。見返す手間がなくなって、ノートを開く回数が変わってきた、という話でした。

タイムスタンプ付きのノートが増えてきたとき、ふと気がつきました。唐揚げだけで 5 本の動画ノートがあります。それぞれ別のチャンネルで、「ふわふわ唐揚げ」「プロの唐揚げ」「居酒屋風カリカリ唐揚げ」「下味冷凍唐揚げ」「失敗しない唐揚げ」という切り口で作られています。

1 本ずつ見れば、どれも中身が濃くていい動画です。でも「結局、唐揚げをうまく作るコツって何なんだろう」という問いへの答えは、1 本の動画だけ見ていてもよくわかりません。5 本並べたら、何か見えてくるんじゃないか——そう思いました。


ノートを横に並べて比べてみた

Obsidian には、ノートを横に並べて同時に開く機能があります。画面を分割して、左に 1 本、右に別の 1 本。複数のノートを並べて、同時に見比べられます。

唐揚げの動画ノート 5 本を並べて、タイムスタンプメモを見比べてみました。

最初に見えてきたのは、共通点です。5 本の動画、全員が「二度揚げ」を推奨していました。下味に醤油と生姜を使う点も 5 人全員共通。衣に片栗粉を使う点も全員そうでした。

次に見えてきたのが、相違点です。1 回目の揚げ温度が 160 度の人と 170 度の人がいます。衣が片栗粉だけの人と、小麦粉を半分混ぜる人がいます。下味の時間が 15 分の人と、一晩おく人がいます。

1 本の動画を見ているだけでは「この人のやり方」としか思えなかったことが、5 本並べると違って見えてきます。「5 本全員が二度揚げしている」ということは、これは個人の好みではなく唐揚げの原理だ、と気がつきます。「1 回目の温度に 10 度の差がある」ということは、多少のずれは許容範囲なのかもしれない——そういう読み方ができるようになります。

「この人のやり方」が、「唐揚げの原理」に変わる瞬間がありました。


比較ノートを作る

共通点と相違点が見えてきたので、それを 1 つのノートにまとめました。5 本の動画ノートとは別の、新しいノートです。私はこれを「比較ノート」と呼んでいます。

実際のノートはこんな内容です。

---
title: "唐揚げ比較メモ"
tags:
  - 鶏肉
  - 揚げ物
  - 比較
---

## 共通点
- 二度揚げ(低温→高温)はほぼ全員が推奨
- 下味:醤油+生姜は共通。酒も多い
- 衣:片栗粉ベースが主流

## 相違点
| | 動画A | 動画B | 動画C |
|---|---|---|---|
| 1回目の温度 | 160度 | 170度 | 160度 |
| 2回目の温度 | 190度 | 200度 | 180度 |
| 衣 | 片栗粉のみ | 片栗粉+小麦粉 | 片栗粉のみ |
| 下味の時間 | 30分 | 15分 | 一晩 |

## 気づき
- 温度の差は10〜20度の範囲。大きくは違わない
- 衣の違いが食感に直結する。片栗粉のみ=カリカリ、小麦粉混合=サクサク
- 下味の時間は人によって大きく違う。ここが個性

## 元の動画ノート
- [[ふわふわ唐揚げの作り方]]
- [[プロの唐揚げ 基本の作り方]]
- [[居酒屋風カリカリ唐揚げ]]
- [[鶏もも肉の下味冷凍唐揚げ]]
- [[失敗しない唐揚げのコツ]]

最後の「元の動画ノート」の部分に、二重の角カッコで囲んだノート名が並んでいます。[[ふわふわ唐揚げの作り方]] のように書くと、それがリンクになります。クリックすれば、元の動画ノートに一瞬で飛べます。

Obsidian では、ノート名を [[]] で囲むだけでリンクが作れます。URL を調べたり、別のアプリを開いたりしなくていい。ノート名をそのまま書けば、それがリンクになります。

比較ノートを見ていて「温度の詳細を確認したい」「元のタイムスタンプメモを見直したい」と思ったとき、ワンクリックで元のノートに戻れます。比較ノートが「まとめ」になり、動画ノートが「一次資料」になる。2 種類のノートがリンクでつながっていて、行き来できます。


「保存」から「理解」へ

ここで少し立ち止まって、これまでの流れを振り返ります。

第 1 回では、YouTube で見た動画が探せないという問題から始めました。Obsidian にノートを作って、フォルダで整理しました。

第 2 回では、フォルダをまたいで条件で絞り込みたくなり、YAML フロントマターと Dataview を使って「リピ確定レシピ」の一覧を自動で作りました。

第 3 回では、ノートの中身が薄いと感じて、タイムスタンプ付きのメモを取るようになりました。

そして今回、複数のノートを並べて比較ノートを作りました。

保存 → 整理 → 検索 → 記録 → 比較。

こう並べると、段階的に積み上がっているように見えます。でも正直に言うと、最初から計画してこうなったわけではありません。使い続けていたら、自然にこうなっていました。「次はどうすればもっと便利になるか」を考えながら使ってきたら、気がつけばここまで来ていた、という感じです。

単なるメモが情報の蓄積になり、情報の蓄積から知識が抽出される。YouTube で「あの動画どこだっけ」と探していたときには、こんな使い方になるとは思っていませんでした。

あなたも、最初から全部やろうとしなくていいと思います。まず 1 本、動画ノートを作るだけでいい。続けていれば、次にやりたいことが自然に出てきます。


次の記事では

ここまで話してきたのは、すべて動画の話でした。YouTube の料理動画のノートです。

実は、同じことが動画以外でも起きています。Obsidian に保存するものが、動画だけではなくなってきました。次の記事では、Obsidian が「メディアライブラリ」になっていく話をします。